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本当にどうしたらいいのかわからないよ

ママ原勉強会の講師にも来ていただいた、平和学の専門家、足立力也(通称リッキー)さんの日記

      *      *      *      *      

 行ってきたよ、見てきたよ、フクシマ。
 マジヤバいよ、フクシマ。

 まず、マイミクsaikomsさんからガイガーカウンターを借りる。
 もともと、このガイガーカウンター、アラームがなるデフォルト値が0.3μSv/h。
 福島駅でその値をあっさり超えた。
 駅前東口の空間線量率で1μSv/h。
 いきなりピーピーなりだす。
 周りには、普通に駅の利用者がいる。
 慌てて、早速アラームの閾値を2μSv/hに設定し直す。
 んで、同じ東口で、側溝の上に近づけてみると、一気に3μSv/h超え!
 またもピーピーピーピー、アラームが鳴りだす。
 ひええ!

 ※参考までに。
 1μSv/h=年間8.76ミリシーベルト。
 3μSv/h=年間26.28ミリシーベルト。
 いわゆる「20ミリシーベルト問題」を軽く突破のヤバすぎる値!
 福島市もこりゃアウトだよ。

 海岸線。
 新知町~相馬市~南相馬市まで走破。
 海岸から内陸数キロにわたって、マジで真っ平ら。
 もうそれは見事なほどに、真っ平ら。
 2カ月たってんのに、復旧どころか、片付けすら終わる気配がない。

 街中、田んぼ、屋根の上。
 船があちこちに転がってる。
 小舟なんかはもちろん、結構なトン数ある船も陸の上。
 普通の重機なんかじゃ絶対持ち上がらん。
 どーすんだコレって感じ。
 相馬市松川浦の漁港付近は、まだ信号も復旧してない。

 イラク支援ボランティアの高遠菜穂子さんが瓦礫撤去のボランティアをしている
 南相馬市の現場もお邪魔した。
 おばあちゃんの一人暮らしのお宅。
 線量計を持って行ってたので、あちこちはかってくれと頼まれる。
 家の中、側溝、蔵の中、そして畑。
 特に、畑で作っている野菜を食べてもいいかどうか、心配していた。
 畑の地表は0.6μSv/h。
 ちゃんとベクレル値で測ってないから正確には分からんが、
 そんだけ出てたらやっぱやめたほうがいいよな、ってんで、
 食べないことにした、と後から連絡を受けた。

 そして、件の飯舘村へ。
 南相馬市・原町区は平均して0.22μSv/hくらいだった。
 それが、八木沢峠を越えて飯舘村に入ると、突然線量率が上がる。
 一気に1→2→3μSv/hへ。
 アラームがけたたましく鳴りだす。
 上述したように、いわゆる「20ミリシーベルト」で考えてもアウト。
 めんどくさいので、アラームの設定値を6μSv/hに設定し直す。
 役場前も3μSv/hくらい。

 我々が役場に着いた時、幼児を乗せた幼稚園の送迎バスが
 ちょうど出て行くところだった。
 早く逃がせ、アホたれ!!!

 菅野村長とも面談。
 やつれた表情、うつろな目。
 ダメだ、こりゃもう精神的に疲労しすぎだ。
 対応能力を失っている。
 ちょうど長野県中川村の曽我村長からケータイに電話が入る。
 どうも、俺のツイートを見て、俺が飯舘村にいることをつかみ、
 連絡してきたようだ。
 「こっちにも村営住宅で受け入れるよって菅野村長に連絡してるんだが、
 返事がないんだ。聞いといてくれないか?」
 早速菅野村長に聞いてみると…
 「申し出はありがたいが、そういう話をたくさんいただいている。
 ひとつひとつに返事を出せる状況じゃない」
 「今電話があったばかりなので、コールバックしますけど」
 というと、おおきくかぶりを振って
 「いや、いい、いい」。
 ダメだ、行政単位では村人を救えない。
 同日夜、中川村・曽我村長に電話、事情を説明。
 曽我さん「一本釣りしかないか…」
 行政という枠にとらわれない曽我さんの行動力に期待。
 そして菅野さん、責任感は分かるが、1日でも休んだほうがいい。
 今の状態では村民が犠牲になる。

 役場を後にした我々は、村の方の案内で、飯舘村一番の「ホットスポット」へ。
 長泥(ながとろ)地区というそうだ。
 そこに行くには、役場から峠をひとつ越えるのだが、
 そこを越えた途端、ガイガーカウンターのアラームがピーピーなりだす。
 外に比べて車の中の線量率は4割減と言われている。
 それでも6μSv/hを超えたってことは…外は10μSv/hくらい!?
 やってられん、アラーム閾値を10μSv/hに設定しなおしじゃ!
 長泥地区に到着。
 車外に出ると、あにはからんや、またもアラームが…
 数値を見ると、12μSv/h。
 ここまでいくと、もう殺人的。
 年間で換算すると、100ミリシーベルトを超えてる。
 原発の現場労働者が通常認められている「5年間の積算線量」が
 100ミリシーベルト。
 そして恐ろしいことに、まだそこに人が住んでる!!!
 9割は逃げたが、逆に言うと1割まだ残ってる。
 実際、焚火をしている女の人を見かけた。
 マスクはつけてたが、ここまで高いと、マスクなんかもう意味がない…
 いや、内部被ばくを考えると、せんよりマシだが、そんなことを
 議論するような値じゃない。
 人生諦めないで欲しい…。

 しかしいろいろあるのだ、特に飯舘村の避難問題は。
 なだけにもどかしい。モヤーっとする!!!

 で、その長泥地区でもとびきりのホットスポットへ。
 案内役のAさんが「ここ測ってみましょうか」
 ある雨どいの下にガイガーカウンターを置くと…
 あっという間に値が上昇、軽く500μSv/hを超える!!!
 年間になおしてみてみそ。
 500(μSv/h)×24(時間)×365(日)=43800000μSv。
 =4380ミリシーベルト。
 =4.38シーベルト。
 2時間いれば、普通の人が浴びていい年間の限度を超える。
 本当はガイガーカウンターをじっくり置いて計測しないといけないのだが、
 とてもそんな悠長なことをしてられる現場じゃない。
 実際は500を軽く超えてるようだ(写真参照)。

 ひとつ確認しておきたい。
 「放射線管理区域」というのがある。
 簡単に言うと、「普通の人は入っちゃいけませんよ」という場所。
 一番身近なのが、病院のレントゲン室。
 この区域では、いろんな規則がある。
 例えば、モノを食べちゃいけない、飲んじゃいけない、液体や塵を
 床に落としてはいけない(ちょっとでも落とそうもんなら必死こいて除染して
 始末書書いて上司に「すんませんでしたー!!!」と頭を下げまくらねばならない)、
 そして決定的なのが「子どもを入れてはいけない」。
 その「放射線管理区域」に指定される基準の値が、

 0.6μSv/h

 なのだ。
 600μSv/hってことは、その1000倍!!!
 どんだけめちゃくちゃな値か、これで分かると思う。

 ついでに(?)ベータ線も測ってみた。
 普通、そこらへんではベータ線はほとんど検出されない。
 これまたぐんぐん値が上昇、ヤバい、ここに高濃度の放射性物質がある!
 いや、そんなもんはガンマ線の線量率から分かっちゃいたけど、
 ベータ線の収束量を見て寒気が走った。
 とっとと尻尾巻いて逃げたさ。
 それが普通の心理ってもんです。
 それに慣れてしまった、慣らされてしまった飯舘村民…
 マジでヤバいよ。
 どうやって逃げてもらうか…なんという難題。

 ちなみに、その村民たちが要求しているのが、「ホールボディカウンタによる
 被曝測定」。
 全身の被曝量を検査するもの。
 原発の作業員たちが、作業後毎日測定するヤツです。
 これによって、どんだけ被曝したか、あらかじめデータをとって、
 本人がそのデータを持っていることが、今後非常に重要になってくる。
 後でガンなどを発症した際に、被曝が原因だと証明するためです。
 それを政府に要望しているのだがあっさり蹴られたそうだ。

 それはもうヒトゴロシだよ。
 どうにかこの要望を飲まさないと、飯舘村民が放射線被害症例の
 モルモットにされてしまう。

 実際、ある意味手遅れな部分がある。
 一番被曝量が大きかったのは、おそらく例の「水素爆発」の後。
 その時に大量に出たヨウ素は、もう検出できなくなってしまった。
 放射性ヨウ素自体は検出できないくらい放射能が小さくなっても、
 その時にくらった影響は後々まで続く。
 その「証拠」がもう分からなくなってしまったのだ。
 しかし、できるだけ早くホールボディカウンタによる被曝量検査をすることで、
 少しでも後の補償などで正当な権利を得られる。

 どうにかせにゃ!!!

 平和学という学問=科学をつかさどる立場として、
 これだけは断言しておかねばならない。
 これはマジで戦争だ。
 原発の作業員は、前線に送られる兵士と一緒。
 放射線という弾丸がびゅんびゅん飛び交う中に突撃させられる。
 その弾丸がびゅんびゅん飛び交う戦地を逃げなければならない避難民。
 統制された情報。
 抑制された行政。
 何もかもが、戦争と全く同じ構図なのだ!
 違うのは、普通の戦争は、戦ってるヤツら同士が話し合って和平すれば、
 人が死ぬのもモノが壊れるのも終わるが、原発はそうはいかないってこと。
 原発は話し合いになんか応じてくれない。
 決して和平することのない相手と戦わねばならない、
 戦争以上にタチが悪い究極の戦い、それが原発震災、原発事故なのだ。

 ありとあらゆる危機感てんこ盛りの被災地訪問だった。

      *      *      *      *

こんにちは、アメリです。
リッキーさんの日記、読みました。一応補足しておくね。

飯館村は今は計画的避難地域に指定されていて、早かれ遅かれみんな避難できます。
でも残っている人は自分の都合で残っている人も多いようです。
子どもや妊婦はいち早く逃がしているよ。

村長さんは一生懸命やっています。
村長が動けないのは、勝手にやれば保証をしてもらえないからだよ。
国が悪いのです。
村長も組織にいる以上、国には逆らえない、国が早くここへ行けと言うべきなのです。
そして私たちもヒドイと見ているだけではダメ。
知った情報をもとに国や福島県に訴えてください。

私からして見れば、計画的避難地域に指定された飯館村はうらやましい。
福島市や郡山市や二本松市なんかはそれこそほんとに逃げたくても逃げれないのです。
子どもたちがたくさん残っているの。
もう本当にどうしたらいいかわからないよ。

とにかく訴えるしかない。
デモも玄海を止めてっていう前に
福島県をもっともっと応援するデモにすれば良かったって後悔してる。

6.11のデモでは福島県の20ミリシーベルト撤回を強く強く訴えてほしいなと思います。
みんなー、よろしくね。
提案してください。

私は口だけで何もお手伝いできなくてごめんね。
早く自宅をなんとかします。

今日も頑張りましょう。
ありがとう。

(アメリ)
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プロフィール

ママ原

Author:ママ原
ママ原ホームページは、http://mamagen.jimdo.com

原発は必要だ、必要じゃない、放射能は危ない、危なくない。いろんな情報が飛び交っています。どんな情報を信じるかは、その人の置かれた状況によって違うかもしれない。でも、「子どもの健康を脅かすものは、いりません」というママの気持ちからならば、みんなつながれるのではないか。そう考えた福岡のママたちのネットワークです。合唱パレードや勉強会を企画しています。全国のママ、つながりましょう!
お問い合わせは、chronikasha@gmail.comまで。

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